7箱目自由宣言

1.お客様第一主義
無制限・台移動自由・出玉共有を自由に許可しているホールを「自由宣言導入店」と定義する。高価交換営業パーラーが増えるに従って、自由宣言を取り入れる店舗が増えてきているが、換金率の設定と共に店舗運営の最も重要なるルール設定でありながら、曖昧に捉えられていることが多い。これまでのコラムでも言及してきたように、ラッキーナンバー制、台移動禁止、出玉共有禁止といった基本ルール設定は、「店側の都合を優先させたルール設定に過ぎない」。すなわち、お客様の視点及び重要からは、かけ離れている。本年2月に換金率の自由化と共に、自由宣言を導入する店舗が増えているのが大阪地区である。
大阪地区が換金率の自由化を制限していたのは、大手企業グループの参入を阻止する目的もあったであろうが、同業者間の暗黙の了解で、一律低交換率に制限しておけば、店舗側が優位に立ち営業がしやすいということでしかなかった。つまり店側の都合でしかない。極論すれば、釘調整にしても、収支管理においても「どんぶり勘定方式」を存続させておきたかったという極めて、理不尽なお客様の存在を無視した考え方が通用していた唯一特殊なエリアが大阪であったのだ。「左のぱちんこ道」では、もはや、お客様の視点からずれた営業形態では存続不可能であると主張してきた。自由競争を取り入れる目的もあったであろうが、全国のパチンコファンの動向、嗜好が明らかに4円等価交換、自由宣言への要望であり、この大きな自然の流れを無視出来なくなったことも、大阪方式崩壊の理由にあると考える。

2.出玉無制限
せっかく大当たりを引き、自分の出した玉がたまたま確変図柄ではなくて、通常絵柄と呼ばれる偶数図柄であった場合、一旦出玉全てを交換し、また始めから現金を使わされていた時代が終焉期に入っている。しかしながら、関東地区のホールであっても、LN制で営業を行い、平気でS5.5程度でお客が集まらないとぼやいている経営者も多いが、かなりの重症である。どういうわけか一昔前のお城風のスタイルをした建物でることが共通している。
また東北地区の競合店調査をしていたときのこと、P・S合わせて400台規模のホールであったが、日曜日の午後3時、スロットコーナーで、4人のお客だけ。唯一カウンター前の海6に人影が見えたので、近づいてみるとクマのプーさんの等身大のぬいぐるみであった。LN制であったが、上皿上の「ココまで玉残しOK」とマジックで書かれた線がなんとも、物悲しく切なかった。

3.台移動自由
3円程度の交換率で営業しているホールは、禁止しているところが多い。そうして、その根拠を尋ねると「台を移動されると正確な機械データが取得出来ない」と、これも店側の調整上の都合でしかない。そう、何度でも言わせて頂くが、お客様の都合が、全てである。
セキュリティ上の都合から、禁止にしているところもあるが、これもスタッフの教育次第。
台移動の問題に関しての、最重要キーワードは「立ち回り」である。何のことかピンこない店長は勉強不足である。今の20代前半から、30代前半にかけてのお客様は、「立ち回り」ということを意識しながら勝負している。つまり、あの台はもう2000回転もはまっているから爆発しそうだとか、この台は既に500回転も回しても、良いリーチが全然来ないから、隣の時短が終わったばかりの120回転過ぎの台に移ろうかというように。
つまり、プレーヤーは、機械上に備え付けられているデータ表示盤を自分なりに解析し、基盤の波を予想しながら台を渡り歩くユーザーが急増しているのである。特に攻略雑誌などでは、パチプロの基本は立ち回りが全てと教えているものまである。そうしたお客様の勝負の形態に変化が起きていることを見逃してはならない。台移動禁止のホールには確実にそうした「立ち回り信奉者」は、寄ってこないのであるから。

4.出玉共有
仲間と一緒にパチンコ勝負に来て、自分はなんとか連チャン大当たりを引いたが、隣の友達はハマってしまい、現金をつぎ込んでいる。
こんな時、自分の玉を分けてあげたいと思うのが人情だ。出玉共有禁止店でプレイしているお客の大半は、内心「なぜ自分の出した玉を仲間にあげる事が出来ないのか納得していない」。だからそのようなお客様がストレスを感じるようなルール設定を強要しては絶対にいけない。低交換率のホールで共有を許可してしまうと、お客様の間で不公平感が創出されてしまい、逆効果であるが、4円等価交換であれば、1玉はもはや4円のキャッシュと同じであるのであるから、やりとりは自由なのは当然である。4円交換営業を私が推進するのは、こうした出玉共有を効率よく、お客様を完全に納得させた上で実施するのに合理的な根本ルールであると考えるからでもある。